「ルポ 正社員になりたい」を読んで、人間らしく働くことについて考えるの巻
以前、病気だと告げたら実質内定を取り消しをされたと書きました。
それから就労支援について調べたり、資格について調べたり、「病人でも働ける仕事」を絶賛捜索中でございます。
ネット上で色々な方の働き方を見ると、病気を打ち明けながら働くのはなかなか難しいのが現状であったり
体調を崩しやすい為、非正規になりがちであったりするらしいのです。
oh…。
安全保障関連法案の陰で、さっくり改正された派遣法の、あの派遣ね。
まさか!総合職内定が決まっていた私に!
関係のある話になるとは思いませんでしたよ、昨年夏!就職活動大変だったね!!
と、いうことでとりあえず現状を把握してみようと、
小林美希さんの「ルポ 正社員になりたい」を購入。
都合よくこき使われる若い労働力の現状を描いたルポタージュ。
「正社員経験がないから」という理由で、正社員になれない。
正社員じゃないから、守ってももらえない。
派遣会社からも守ってもらえない。
それでも生きるためには働かなければならない。仕事をもらわなければならない。
本に登場する人物たちは、決して怠惰な性格だったから非正規になったようには思えない。
むしろ「人一倍真面目」にうつった。
頑張っても頑張っても報われない、そんな現状から心や体のバランスを崩してしまうらしい。
時給で給料を換算される彼らは、生きるために1時間1時間を働く。契約によっては残業代も出ないところもある。
「派遣されている身」である以上、いいなりなのだ。
能力の差なのか、ただのボタンの掛け違えなのか、それても本人たちの怠惰なのか。
正社員・非正規社員は、同じ人間としてなにが違うのか。
正社員は正社員としての辛さももちろんあるとは思うが、生涯賃金と処遇と仕事への期待が違う。
「人間らしく生きていけるか。」が、正社員・非正規社員の間にはあると感じた。
この前、実質内定を取り消しされたときに人事に言われた
「派遣社員じゃないんだから、頭を使ったり自分で判断したりする仕事になるので~」というセリフがいつまでも突っかかる。
社会というのは、こういうセリフがごろごろ落ちているんだろう。
自分は守られているからこそ出てくる、当たり前のように人を見下すようなセリフ。
本の中にあった、派遣労働者へのセリフもひどいものだった。
同じ人間として生まれて同じ「人間らしく生きる権利」があるはずなのにも関わらず、
なぜこんな目に合わなければならない社会なんだろう。
人が人でいられるのは、「人として見られてる」からだと私は思うのです。
人は、駒ではあってはならないの。
どんな人でも、大切な、ひとりの人なのです。
ホワイトカラー・エグゼンプション、別名「残業代ゼロ法案」を推し進めようとする経団連のご意見は
「能力のない人が長時間残業をし、素早く仕事を終えた人より仕事を終えた人より賃金を多くもらうのは不公平(本より抜粋)」だそう。
すごい都合の良い解釈!
経営者の気持ちを清々しいぐらいに表したこのセリフ!
もし、この法案が通ったとして今は年収の上限があるものの、そんなものはお家芸「規制緩和の術」によって知らない間にドロンと消えているんだろうなと恐れております。
ひゃあ、
はやく人間になりた~い。